サプライヤーからの値上げ要請を、交渉でどれだけ抑えられたかを金額にします。
旧単価(現在の単価)・値上げ要請単価・交渉で決着した新単価・購入数量を入れると、要請単価と決着単価の差から値上げ抑制額を計算し、単価の水準を棒グラフで示します。
損益計算書には表れない、払わずに済ませた守りの成果を見える化する道具です。
旧単価(現在の単価)・値上げ要請単価・交渉で決着した新単価・購入数量を入れると、値上げ要請をどれだけ抑えられたか(値上げ抑制額)を計算し、単価の水準と計算式を表示します。値上げ抑制額は、要請単価と決着単価の差(抑えられた1個あたりの額)に、購入数量を掛けた、払わずに済ませた金額です。まずは仮の数字が入っているので、動きを確かめてから自社の数字に置き換えてください。値上げ要請が無ければ、値上げ要請単価は0にしてください。
値上げ抑制額は、値上げ要請を交渉で押し戻して払わずに済ませた金額です。価格が下がったわけではないので、損益計算書(会社の1年の儲けを示す表)には表れない守りの成果になります。実際に単価を下げたコスト削減額とは分けて報告してください。
値上げ抑制額とは
値上げ抑制額は、サプライヤーからの値上げ要請を交渉で押し戻して、払わずに済ませた金額のこと。
1個1,000円のものを1,080円に上げたいと要請され、交渉で1,050円に決着させたなら、要請単価1,080円と、実際に払う決着単価1,050円との差(1個あたり30円)が、抑えられた単価になる。
これに年間の購入数量を掛けたものが値上げ抑制額だ。値上げ要請の局面では、いまの単価より安く決着することはまずない。
だから旧単価(現在の単価)は交渉の出発点として棒グラフに示すだけで、抑制額そのものは要請単価と決着単価の差で測る。
価格が下がったわけではないので、この抑制額は損益計算書(会社の1年の儲けを示す表)には表れない、払わずに済ませた守りの成果になる。
コスト削減額とは分けて報告する
実際に単価を下げて支払いが減った分は、コスト削減額として損益計算書に表れる攻めの成果。
値上げを押し戻して払わずに済ませた値上げ抑制額は、損益計算書には表れない守りの成果。
性質が違うので、混ぜずに二段で報告するのが原則だ。
- 抑制額を削減額に混ぜて「これだけ削減した」と報告すると、抑制分は損益計算書に出ないため経理の見る支払額と合わず、「削減したのに費用が減っていない」と問われる。
- 逆に抑制額をまったく成果に数えないと、値上げを止めたバイヤーの交渉が評価されない。要請を飲めば大きく損した場面で、それを防いだ仕事が見えなくなる。
- だから社内には、実削減いくら・値上げ抑制いくらと二段に分けて示す。財務に持っていく数字は削減で語り、購買の働きを示す数字は抑制で語る。
診断士バイヤーの読み解き
抑制額を成果として認めてもらう土台は、値上げ要請があった事実だ。だから報告には、要請の根拠(要請日・要請単価・交渉で決着させた単価)を必ず添える。
根拠のない、上がっていたかもしれない額は抑制額に数えない。ひとつの数字にまとめて大きく見せると、あとで経理と突き合わせたとき必ずほころびる。
値上げの波が来ている局面では、単価を下げること自体が難しく、どれだけ値上げを止められたかが利益を大きく左右する。決着単価と要請単価を並べて示せば、交渉の値打ちがそのまま伝わる。