調達用語集

調達・購買の現場で毎日使われる用語と略語を、定義だけで終わらせず「現場でどう使うか」まで一言添えて説明します。
教科書の言葉と現場の言葉のあいだを埋めるための用語集です。

調達実務

購買依頼

PR / Purchase Requisition
調達実務

現場や部門が必要な資材・サービスを購買部門へ発注してほしいと申請する社内書類のこと。仕様・数量・希望納期などを記す。

現場での一言

PRの記載が品名だけで仕様や用途が抜けていると、買い手は代替品の判断もできず差し戻しが増える。現場側が使う場所と条件までひとこと添えるだけで、購買側の見積り精度と交渉力が上がる。

情報提供依頼

RFI / Request for Information
調達実務

発注や見積り依頼の前段階で、取引候補の会社へ製品・技術・生産体制などの概要情報を尋ね、候補選定の材料にする依頼文書のこと。

現場での一言

価格を聞く場のはずが担当者が概算見積りまで書かせてしまい、相手の腰が引ける場面をよく見る。聞く項目は生産体制や品質実績などの事実情報に絞り、価格の話は次の段階に残すと交渉がしやすい。

見積依頼

RFQ / Request for Quotation
調達実務

仕様と数量を示して、サプライヤーに価格の提示を求める依頼。複数社の価格を同じ条件で比較することが目的。

現場での一言

相見積もりは3社が基本。ただし仕様が曖昧なまま出すと、各社がばらばらの前提で見積もってきて比較にならない。RFQの出来は、その前の仕様書の出来で決まる。

提案依頼

RFP / Request for Proposal
調達実務

課題と要件を示して、実現方法の提案ごと求める依頼。価格だけでなく、提案の中身を比較して選ぶ。

現場での一言

作り方まで任せたい案件なのに価格表だけを求めると、安いが的外れな回答しか集まらない。仕様を自社で固めきれるならRFQ、固めきれないならRFP、と入口で使い分ける。

作業範囲記述書

SOW / Statement of Work
調達実務

委託する作業の内容・成果物・工程・納期・責任範囲を具体的に定めた契約の補足文書のこと。業務委託や外注契約で使う。

現場での一言

SOWが曖昧なまま契約すると、後から「それは契約の範囲外」と揉める原因になる。成果物の完成基準と検収条件まで数値や様式で書き込んでおくと、追加請求の火種を減らせる。

発注書

PO / Purchase Order
調達実務

買い手が売り手へ発行する正式な注文書。品名・数量・価格・納期・支払条件など、その取引の条件を確定させる文書。

現場での一言

口頭やメールの「お願いします」だけで走らせず、必ずPO番号を発行してから納入してもらう。監査で最初に指摘されるのは、PO無しの発注と、納品より後にPOを切る後追い発注。

購買から支払い

P2P / Procure to Pay
調達実務

購買依頼から発注、納品検収、請求書照合、支払い実行までをつなぐ一連の業務の流れとその仕組みのこと。

現場での一言

P2Pのどこかで承認や検収の記録が抜けると、支払いの段階で納品の事実を後から追えなくなる。発注書と納品書と請求書を都度突き合わせる運用にしておくと、二重払いや過払いを防げる。

サプライヤー関係管理

SRM / Supplier Relationship Management
調達実務

サプライヤーを一律に扱わず、重要度に応じて関係の深さと管理の手間を変える考え方。評価や共同開発まで含む。

現場での一言

全社を平等に管理しようとすると、全部が浅くなる。年間の購入金額と切り替えにくさで層別して、上位2割のサプライヤーに時間の8割を使うのが実務の感覚。

戦略的ソーシング

Strategic Sourcing
調達実務

単発の価格交渉にとどまらず、市場動向や供給リスクも踏まえて調達先や調達方法を中長期の視点で見直す活動のこと。

現場での一言

目の前のコスト削減だけを追うと、数年後に供給先が偏り値上げ交渉で足元を見られることがある。品目ごとに複数調達先を維持する比率を決めておくと、価格交渉と供給の安定を両立しやすい。

カテゴリーマネジメント

Category Management
調達実務

購入品目を性質や市場が似たグループ(カテゴリー)に分け、グループごとに調達戦略を立てて運用する手法のこと。

現場での一言

品目をカテゴリー分けせずに担当者任せで交渉すると、似た材料が部署ごとに別々の値段で買われている無駄が隠れがちになる。購入実績を品目群でまとめ直すと、重複購買や割高契約が見つかりやすい。

直接調達

Direct Procurement
調達実務

完成品の製造に直接組み込む原材料や部品など、生産数量に比例して発生し、品質と納期が生産ラインに直結する購買活動のこと。

現場での一言

直接調達は品質や納期のトラブルが生産ラインの停止に直結する。安さだけで新規サプライヤーに切り替えると、立ち上げ初期の不良や納期遅延で余計な費用がかさむ例をよく見る。

間接調達

Indirect Procurement
調達実務

事務用品・設備保守・出張旅費など、製品そのものには含まれないが事業運営に日常的に必要な購買活動のこと。

現場での一言

間接調達は品目が細かく分散していて、誰がどれだけ使っているか把握しづらい。部署ごとにばらばらに発注させず、購買部門で契約をまとめるだけでも単価交渉の材料が増える。

テールスペンド

Tail Spend
調達実務

一件あたりの購入金額は小さいが取引先や品目の件数が多く、管理の手間ばかりかかる支出のまとまりのこと。

現場での一言

全体の支出額ではわずかでも、発注件数の大半をテールスペンドが占めていることが多い。少額案件を一件ずつ交渉するより、まとめ発注や購買代行の仕組みに乗せて手間そのものを減らす方が現実的。

支出分析

Spend Analysis
調達実務

会社全体の購買データを品目・取引先・部門などの切り口で集計し、購買の実態と改善点を洗い出す分析のこと。

現場での一言

経理データをそのまま集計すると同じ取引先が表記ゆれで別会社扱いになり、取引規模を見誤ることがある。取引先名と品目コードを名寄せしてから分析にかけないと、数字だけ立派で使い物にならない。

契約・法務

秘密保持契約

NDA / Non-Disclosure Agreement
契約・法務

取引の検討や遂行で知った相手の機密情報を、他へ漏らさない・目的の外で使わないことを約束する契約。

現場での一言

図面や原価情報を渡す前に締結するのが鉄則。自社だけが情報を出すのか、お互いに出し合うのかを確かめて、片方向か双方向かを最初に決める。

基本契約

Master Agreement
契約・法務

個別の発注に共通して適用される基本条件をまとめた契約。個別注文書や仕様書とセットで運用し、契約書作成の手間を減らす。

現場での一言

基本契約と個別発注書の内容が食い違った場合にどちらを優先するかを明記していないと、トラブル時に条項の解釈で揉める。優先順位の条項と有効期限を必ず確認する。

長期契約

LTA / Long Term Agreement
契約・法務

一定期間にわたり価格や数量などの取引条件を固定し、継続的に発注することを取り決めた契約。価格と供給の安定を狙って結ぶ。

現場での一言

価格を固定した安心感の裏で、市場が下がった局面では高値掴みになりやすい。原材料連動条項や価格見直し時期を契約に盛り込み、相手の値上げ要求だけを一方的に飲まない。

取引条件

T&C / Terms and Conditions
契約・法務

支払い条件、納期、品質基準、責任分担など、取引全般に適用される基本ルールをまとめたもの。個別注文の前提となる。

現場での一言

相手方(特に海外サプライヤー)が用意したひな形をそのまま使うと、自社に不利な免責条項が紛れ込んでいることが多い。支払い条件と責任範囲の項目は必ず自社基準と照合する。

サービス品質保証

SLA / Service Level Agreement
契約・法務

サービスの提供者が、応答時間や稼働率など品質の水準を数値で約束する取り決め。未達の場合の対応や違約金も合わせて定める。

現場での一言

数値目標だけ決めて測定方法や責任範囲を曖昧にすると、未達が起きても言い逃れされる。計測の起点と除外事由(停電・災害等)を先に詰め、違約金より復旧までの対応力を確認する。

自動更新条項

Auto-renewal Clause
契約・法務

契約期間が満了する際に、どちらかが解約の意思を示さない限り、同じ条件のまま契約が自動的に延長される取り決め。

現場での一言

解約通知の期限(満了の何ヶ月前まで)を見落とすと、望まない条件のまま契約が延長されてしまう。契約管理台帳に通知期限を記載し、期限の一、二ヶ月前に確認する仕組みを作る。

検収

Acceptance
契約・法務

納品された製品やサービスが契約通りの仕様・数量・品質を満たしているかを確認し、受け入れを正式に決定する手続き。

現場での一言

検収基準を曖昧にしたまま検収印を押すと、後から不具合が見つかっても契約上は合格済みとされ交渉力を失う。検収項目と合格基準を発注前に文書化し、現物確認は担当者任せにしない。

準拠法

Governing Law
契約・法務

契約の解釈や紛争が起きた際に、どの国・地域の法律を適用するかを定めた条項。海外取引では特に重要になる。

現場での一言

準拠法だけ決めて裁判管轄地(訴訟をどこで起こすか)を決め忘れると、勝訴しても執行が難しくなる。準拠法と管轄地はセットで確認し、可能な限り自国法・自国管轄を主張する。

貿易

インコタームズ

Incoterms / International Commercial Terms
貿易

貿易で、費用の負担と貨物のリスクが売り手から買い手のどこで移るかを定めた国際規則。FOB・CIFなど11条件がある。

現場での一言

費用の分かれ目とリスクの分かれ目は別物。ここを混同したまま契約すると、輸送中の事故のときに保険の話で揉める。条件の選択と保険の掛け方はセットで決める。

工場渡し

EXW / Ex Works
貿易

売主の工場や倉庫で貨物を引き渡す条件。そこから先の輸送・輸出通関・費用はすべて買主が負担する。あらゆる輸送手段で使える。

現場での一言

見積りが一番安く見えるが、輸出通関やトラック手配を自社で代行できないと実質動かせない。現地に信頼できるフォワーダーがいない初回取引でこの条件を選ぶと、貨物が工場前で止まったまま進まないことがある。

運送人渡し

FCA / Free Carrier
貿易

買主が指定した運送人に貨物を引き渡した時点で、危険と費用の負担が売主から買主へ移る条件。あらゆる輸送手段で使える。

現場での一言

引渡し場所が売主の施設なのか、港のコンテナヤードなのかで実務の負担がまるで違う。契約書に引渡し地点を具体的な住所や施設名まで書いておかないと、輸出通関の責任範囲があいまいなまま船積み直前でもめる。

本船渡し

FOB / Free On Board
貿易

インコタームズの一条件。売り手が輸出港で貨物を本船に積んだ時点で、費用とリスクが買い手へ移る。船で運ぶ取引専用。

現場での一言

コンテナ輸送なのに、昔からの慣習でFOBのままという契約は多い。コンテナならFCA(運送人渡し)が本来の設計。輸送の実態と条件が合っているか見直すと、直せる点が見つかる。

運賃込み

CFR / Cost and Freight
貿易

売主が仕向港までの運賃を負担するが、危険負担は船積み時点で買主へ移る条件。海上輸送と内陸水路輸送だけで使い、海上保険は付かない。

現場での一言

運賃は売主負担でも保険は付いていないので、自分で貨物保険をかけ忘れると航海中の事故は全額自己負担になる。CIFと見積りを比べる時は、保険料が入っているかどうかをそろえてから数字を見る。

運賃保険料込み

CIF / Cost, Insurance and Freight
貿易

売主が仕向港までの運賃と海上保険料を負担し、船積みの時点で危険負担が買主へ移る貿易条件。海上輸送と内陸水路輸送だけで使う。

現場での一言

保険の被保険者が誰になっているか契約前に確認する。売主手配の保険は補償が最低限のことが多く、事故時に自社で追加保険をかけていないと損害を丸ごとかぶる。運賃込み条件と比べる時は保険料の有無をそろえる。

関税込持込渡し

DDP / Delivered Duty Paid
貿易

売主が指定場所までの輸送・輸入通関・関税の支払いまで引き受け、買主は届いた貨物を受け取るだけで済む条件。あらゆる輸送手段で使える。

現場での一言

一番楽に見える条件だが、関税や消費税の実額を売主がどう見積もったか裏取りしないと、後から追加請求されることがある。輸入者が使えるはずの関税優遇や還付の権利を売主任せにして失うこともある。

信用状

L/C / Letter of Credit
貿易

買主の取引銀行が、書類の条件を満たせば売主へ代金を支払うと約束する仕組み。取引先の信用が読めない時の決済に使う。

現場での一言

書類の文言が信用状の条件と一文字でも食い違うと、銀行は支払いを拒否できる。船積み日や品名の表記を契約段階で信用状の記載とそろえておかないと、期限ぎりぎりで訂正に追われて余計な金利負担が増える。

船荷証券

B/L / Bill of Lading
貿易

運送人が貨物を受け取ったことを証明し、貨物を引き取る権利を表す有価証券。仕向地でこの書類がないと貨物を受け取れない。

現場での一言

オリジナルの通数と誰が保管するかを契約前に決めておく。荷為替の流れで銀行を経由すると到着が遅れることがあるので、急ぎの案件はサレンダーB/Lなど早く引き取れる形にできないか輸送会社に確認する。

通関

Customs Clearance
貿易

貨物を輸出または輸入する際に、税関へ申告して許可を受ける手続きのこと。この許可がないと貨物は国境を越えられない。

現場での一言

書類の品名・数量・金額が契約書やインボイスと一致していないと、そこで足止めされて倉庫の保管料がかさむ。繁忙期や休日前は税関の処理が混み合うので、納期に余裕がない案件ほど早めに書類をそろえて動き出す。

原産国

COO / Country of Origin
貿易

貨物が実際に生産または加工された国のこと。関税率や輸入規制がどう適用されるかは、この原産国の判定で決まる。

現場での一言

複数国から部材を集めて最終組立だけ別の国で行う場合、原産国の判定を誤ると関税優遇が受けられなかったり、逆に規制品として止められたりする。仕入先の申告を鵜呑みにせず、実質的な加工工程まで確認する。

原産地証明書

C/O / Certificate of Origin
貿易

貨物の原産国を公的機関や商工会議所が証明する書類。関税の優遇税率を受けるための添付書類として使うことが多い。

現場での一言

書類上の発行国と実際の原産国がずれていると、輸入時に優遇税率を取り消されることがある。発行機関によって様式や必要な原本部数が違うので、取引を始める前に輸入国側の税関が求める形式を確認しておく。

関税分類番号

HSコード / Harmonized System Code
貿易

貿易品を世界共通の基準で分類する番号。この番号によって関税率や必要な許可・規制が決まる。

現場での一言

同じ品物でも解釈次第で複数のコードが当てはまることがあり、選び方一つで関税率が数パーセント変わる。仕入先が言ってきたコードをそのまま使わず、自社でも税関の分類例規や過去の輸入実績と照合してから確定する。

在庫・発注

リードタイム

LT / Lead Time
在庫・発注

発注してから納入されるまでの期間。製造・輸送・通関など、いくつかの工程の合計でできている。

現場での一言

サプライヤーの回答には安全の余裕が乗っていることが多い。内訳を工程ごとに聞くと、縮められる部分が見つかる。LTの長さは在庫の量に直結するので、価格と同じ重さで交渉する価値がある。

最小発注数量

MOQ / Minimum Order Quantity
在庫・発注

サプライヤーが注文を受ける際の最低数量。製造の段取りや材料手配の都合から設定される。

現場での一言

MOQは言い値で受け入れず、理由を聞く。段取り費が理由なら、段取り費を別払いにして数量を下げる交渉ができる。余った分を在庫で抱える費用と比べて判断する。

経済的発注量

EOQ / Economic Order Quantity
在庫・発注

発注1回にかかる費用と在庫を保管する費用の合計が最も少なくなる、一回あたりの発注数量を計算式で求める考え方。

現場での一言

計算式どおりの数量で発注すると仕入先の梱包単位やロットと合わず、端数調整に手間を取られる。実務では仕入先の最小ロットや価格が下がる数量に丸めて発注書に落とし込む。

発注点

ROP / Reorder Point
在庫・発注

在庫がこの水準まで減ったら次の発注をかける基準となる数量。仕入先からの納期の間に使う分と安全在庫を足して決める。

現場での一言

納期が読みにくい海外調達品ほど発注点が古いまま放置されやすい。仕入先の納期が延びた連絡を受けたら即座に発注点を引き上げないと、次の発注が遅れて欠品に直結する。

安全在庫

Safety Stock
在庫・発注

需要のばらつきや納期遅れなど不確実な事態に備えて、通常必要な量よりも余分に確保しておく在庫のこと。欠品を防ぐ保険にあたる。

現場での一言

一度決めた数量を放置しがちだが、需要が落ち着いた製品は減らす判断も要る。多めに持てば安心という理由だけで増やし続けると、資金と保管スペースを静かに圧迫する。

欠品率

Stockout Rate
在庫・発注

注文や需要があったのに在庫がなく対応できなかった割合を示す指標。件数ベースや数量ベースで計算する。

現場での一言

欠品率の数字だけを追うと、自社の見込み違いと仕入先の遅延と品質不具合による欠品が一緒くたになる。原因別に分けて記録しないと、対策を打つべき相手を間違える。

在庫回転率

Inventory Turnover
在庫・発注

一定期間のうちに在庫がどれだけ入れ替わったかを示す指標。売上原価や払出額を平均在庫額で割って算出する。

現場での一言

数字が高いほど優秀に見えるが、欠品ギリギリまで削った数字と効率よく回した数字は中身が違う。品目別に見ないと、売れ筋が平均を底上げし動かない在庫を隠してしまう。

資材所要量計画

MRP / Material Requirements Planning
在庫・発注

生産計画と部品表と在庫の情報から、何を・いつ・いくつ発注すべきかを計算する仕組み。

現場での一言

MRPの発注指示をそのまま信じると、マスタの誤りがそのまま発注ミスになる。LTやMOQの登録が何年も前のままという会社は本当に多い。仕組みは計算しかしない。マスタの鮮度が命。

部品表

BOM / Bill of Materials
在庫・発注

ある製品を組み立てるのに必要な部品や材料の種類と数量を、親品目と子品目の階層関係も含めて一覧にした表のこと。

現場での一言

設計変更のたびに部品表が更新されず、古い版で発注すると使われない部品が倉庫に残る。設計側の最新版と自分が使う版がずれていないか、発注前に必ず確認する。

在庫管理単位

SKU / Stock Keeping Unit
在庫・発注

色やサイズ、仕様の違いなどで区別した、在庫を管理する最小の単位のこと。品目ごとに一つの番号を割り振る。

現場での一言

仕様がほぼ同じなのに登録だけ別々になっている品目が現場には必ずある。放置すると発注も在庫も二重管理になるので、設計側と定期的に統合できないか棚卸しする。

預託在庫

VMI / Vendor Managed Inventory
在庫・発注

仕入先が買い手の在庫水準を把握し、補充のタイミングと数量の判断まで担う仕組みのこと。所有権の移転時点は契約で決める。

現場での一言

在庫の面倒を仕入先に預けたつもりでも、欠品したら困るのは自社の生産ライン。所有権がいつ自社に移るか、置き場のスペース負担は誰が持つかを契約書で先に詰めておく。

ジャストインタイム

JIT / Just In Time
在庫・発注

必要な物を、必要な時に、必要な量だけ届ける生産・調達の考え方。在庫を極力持たずに無駄を減らすことを狙う。

現場での一言

在庫を減らすほど評価されがちだが、上流のトラブルで生産ラインが止まるのはJITの宿命。重要部品は複数の調達先を確保し、バッファの持ち方も決めておかないと、いざという時に手が打てない。

コスト・原価

総所有コスト

TCO / Total Cost of Ownership
コスト・原価

購入価格だけでなく、輸送費・在庫費・不良の処理費・廃棄費など、買って使い終わるまでにかかる費用の合計。

現場での一言

単価が1割安い海外調達が、輸送費と在庫増と不良対応で、むしろ高くつくことがある。TCOで並べるとそれが数字で見える。価格交渉の前に、まず何を費用に数えるかをそろえる。

ライフサイクルコスト

LCC / Life Cycle Cost
コスト・原価

購入価格だけでなく、導入後の運用費・保守費・廃棄費まで含めた総費用で機器や設備の価値を判断する考え方。

現場での一言

購入価格だけで機械を選ぶと、保守部品代や消耗品代、電気代がかさみ、数年後に総額で逆転することがある。稟議書には運用年数分の維持費も並べて出すと、価格だけでは見えない差が伝わる。

着地コスト

Landed Cost
コスト・原価

商品を海外や遠隔地から仕入れる際、本体価格に運賃・関税・保険料・通関費用などを加えた最終的な取得総額。

現場での一言

本体価格だけで海外サプライヤーを比較すると順位を誤る。関税分類や船賃、荷降ろし後の内陸輸送費や保管料まで含めて計算すると、見積書の安さが逆転することが珍しくない。

原価の積み上げ試算

Should-Cost
コスト・原価

材料費・加工費・労務費・利益などを項目ごとに積み上げて、本来あるべき妥当な価格を自社で試算する手法。

現場での一言

サプライヤーの言い値をそのまま飲まず、歩留まりや加工時間から自分でも妥当な価格を組み立てておくと交渉で押し切られにくい。根拠のあいまいな試算は逆に穴を突かれ立場が弱くなる。

購入価格差異

PPV / Purchase Price Variance
コスト・原価

予算上の想定価格(標準価格)と、実際に買った価格の差。調達部門の成果指標としてよく使われる。

現場での一言

PPVだけを追うと、まとめ買いで単価を下げて在庫が膨らむ、といった歪みが起きる。単価は下がったのに会社としては損をした、を防ぐには、TCOと並べて見る。

コスト削減

Cost Reduction
コスト・原価

購入価格や工程の見直しなどによって、実際に支払う金額を過去より減らすこと。決算数値に表れる目に見える成果。

現場での一言

値下げを引き出しても、仕様を落として品質不良や手戻りが増えては帳消しになる。一時値引きか、毎年積み重なる恒常的な削減かを分けて報告しないと、翌年も同じ額を求められる。

コスト回避

Cost Avoidance
コスト・原価

実際に支出を減らすのではなく、将来発生するはずだった値上げや追加費用を防いで発生させなかった効果のこと。

現場での一言

値上げ要請を交渉で据え置きにできても、帳簿の数字は動かないため社内では成果と映りにくい。他社の値上げ幅などのデータを添え、本来の値上がり幅を示す工夫がいる。

資本的支出

CAPEX / Capital Expenditure
コスト・原価

設備投資など、長期にわたって使う資産を取得・改良するための支出で、会計上は複数年に分けて費用化する。

現場での一言

設備を買うかリースにするかで資本的支出か運営費かが変わり、決裁ルートも変わる。リースは稟議を通しやすい一方、総支払額では買い取りより高くつく場合があるので確認する。

運営費

OPEX / Operating Expense
コスト・原価

日々の事業運営にかかる継続的な費用のことで、原材料費や人件費、光熱費、消耗品費など資本的支出以外の経費を指す。

現場での一言

日々の間接材や消耗品の値上げ交渉はここに乗ってくる。単価だけを見ず、年間の使用量とセットで相手に示さないと、値上げ要請を額面通り飲む羽目になりやすい。

売上原価

COGS / Cost of Goods Sold
コスト・原価

一定期間に販売した商品やサービスの製造・仕入れにかかった原価のことで、損益計算書で売上高から差し引かれる。

現場での一言

値下げ交渉が決まっても、在庫の売れ残り分は当期の売上原価に乗らない。仕入れ側と価格改定の適用日を合わせないと、期待する期の数字に反映されず成果が見えなくなる。

マーベリック購買

Maverick Spend
コスト・原価

承認された取引先や契約ルートを通さず、現場の判断で個別に発注してしまう、購買部門の管理が及ばない支出のこと。

現場での一言

現場が「急いでいたから」と契約外の発注をすると、全社の発注量をまとめた値引き交渉の土台が崩れる。抜け道を叱るより先に、正規ルートの発注を速く楽にしておくほうが近道になる。

品質・KPI

重要業績評価指標

KPI / Key Performance Indicator
品質・KPI

目標にどれだけ近づいたかを測る、少数の重要な指標。調達ではコスト削減額・PPV・OTIF・在庫回転率などを使う。

現場での一言

指標を増やすほど、現場は数字づくりに走る。調達のKPIはコスト・品質・納期・在庫の4つの面から1〜2個ずつに絞り、計算の定義と分母を文書で固定するのが先。

品質・コスト・納期

QCD / Quality, Cost, Delivery
品質・KPI

品質、コスト、納期の三つの軸で調達先や自社の生産活動を評価し、バランスを見る基本的な考え方のこと。

現場での一言

三つとも満点の仕入先は存在しないと思っておく方が安全。コストだけ突出して良い場合は品質か納期のどこかにしわ寄せが出ていないか、現場の受け入れ検査担当に直接聞くと早く分かる。

納期・数量遵守率

OTIF / On Time In Full
品質・KPI

指定した納期どおり(On Time)・数量どおり(In Full)に納入された割合。納入の信頼性を測る代表的な指標。

現場での一言

納期の遵守率だけで測ると、分納で一部だけ間に合わせても合格になってしまう。数量まで求めるOTIFにすると実力が正直に出る。数字を比べる前に、まず定義をそろえる。

納期遵守率

On-Time Delivery Rate
品質・KPI

発注した納期通りに納品された件数の割合を示す指標。件数ベースと金額ベースで算出方法が分かれる場合がある。

現場での一言

集計の分母の置き方で数字は化ける。仕入先都合の遅延だけでなく、社内の発注遅れや仕様変更による延期まで遅延扱いにしていないか、定義を最初にすり合わせないと後で揉める。

不良率

PPM / Parts Per Million
品質・KPI

納入された部品や製品のうち、不良品が百万個あたり何個含まれるかを示す品質指標。不良の少なさを表す。

現場での一言

分母の取り方(生産数か納入数か)で桁が変わる。良い数字が出てきたら、まず分母の定義と検査方法(全数かサンプルか)を確認する。市場に出た後の不具合が算入済みかも要確認。

サプライヤー評価

Supplier Scorecard
品質・KPI

品質、納期、価格、対応力などの項目ごとに仕入先の実力を採点し、取引先としての総合力を一覧で示す評価表のこと。

現場での一言

点数だけを見て安心すると足元をすくわれる。総合点が高くても特定項目(例えば品質)が毎期下がり続けている仕入先は、次の一件で大きなクレームに発展しやすい。項目別の推移を追う。

投資対効果

ROI / Return on Investment
品質・KPI

投じた費用に対して、得られた利益や効果がどれだけあったかを示す指標。効果額を投資額で割って算出する。

現場での一言

効果額の見積もりが甘い案件が多い。単年度のスポット値引きを毎年続く効果のように計上すると、翌年の実績で乖離が出て信頼を失う。継続効果と一時効果は必ず分けて申請する。

管理対象支出比率

Spend Under Management
品質・KPI

全体の購買支出のうち、調達部門が契約や交渉を通じて把握し管理できている金額の割合を示す指標のこと。

現場での一言

現場が調達部門を通さず発注する野良購買が多いほどこの比率は下がる。数字が低い時に現場を責める前に、なぜ調達部門を経由しないのか(スピードが遅い等)を先に聞く方が改善につながる。

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