まとめ買いの損益分岐計算ツール

通常単価とまとめ買い単価、まとめ買いする数量、在庫を抱えるあいだの保管費と資金コストから、まとめ買いが損か得か(正味メリット)と、何ヶ月以内に使い切れば得になるか(損益分岐となる消費期間)を計算します。

数字を入れると、下にまとめ買いの正味メリットが表示されます。入れた数字は、どの割引率で得と損が入れ替わるかもグラフで見られます。

円/個

まとめ買いしないときの1個あたりの値段。

円/個

まとめ買いで値引きされたあとの1個あたりの値段。

割引率 –

1回でまとめて買う個数。

個/月

1ヶ月に使う個数。まとめ買いした分を使い切る速さになる。

在庫を持つコストの入れ方(率か総額かを選べます)
%/年

在庫金額に対して1年あたりにかかる維持費の割合。倉庫代・保険・劣化、そして在庫に寝る資金の金利をまとめた率。おおむね年15から25パーセントが目安。

円/年

この在庫を1年寝かせたときにかかる維持費を、割合ではなく金額そのもので入れたいとき用。倉庫代や金利をまとめた年間の総額。

まとめ買いの正味メリット(プラスなら得)
値引きで得する額
増える在庫維持費
損益分岐となる割引率(この率より大きく値引きされていれば得)
入れた数字が計算式の中で動きます
1. 割引率(まとめ買いでどれだけ安くなるか)
割引率 = ( ) ÷ =
2. 単価が下がって浮くお金(値引きで得する額)
値引きで得する額 = ( ) × =
3. 在庫が増えてかかる在庫維持費
在庫維持費
4. 正味メリット(得なら黒字)
正味メリット = =
5. 損益分岐となる割引率
この率より大きく値引きされていれば得 :
今の割引率と見比べてください。
どこで得と損が入れ替わるか
正味メリットの線 損益分岐点 今の入力

横は割引率、縦は正味メリットです。ゼロの線より上が得、下が損。赤い点が損益分岐、紺の点が今の入力です。今の点が赤い点より右にあれば、まとめ買いは得になります。

まとめ買いの損益分岐とは

まとめ買いをすると、1個あたりの単価は下がる。
ところが、まとめて買った分は使い切るまで在庫として抱えることになり、そのあいだ倉庫代や劣化といった保管費と、在庫に寝ているお金の資金コスト(金利)がかかり続ける。

つまり、値引きで浮いたお金と、在庫を持つことで増える費用が、裏側で綱引きをしている。

この2つがちょうど釣り合う割引率が損益分岐で、そこより大きく値引きされていればまとめ買いは得、届かなければ損になる。使い切るのが速い品目ほど在庫を持つ費用は小さくなり、損益分岐となる割引率も下がる。

値引き率だけ見ると見落とすもの

まとめ買いの判断で「1個あたりいくら安くなるか」だけを見ると、在庫を抱える側のコストを丸ごと見落とす。値引き率に飛びつく前に、次の4点を差し引いて考える。

  • 在庫金額に対してかかる維持費。倉庫の賃料、保険、時間とともに進む劣化、そして在庫に寝る資金の金利。このツールではこれらをまとめて在庫維持費率として扱う。
  • 在庫に寝ている運転資金の金利は、伝票には出てこないので、いちばん忘れられやすい費用になる。
  • 平均在庫は満タンの数量ではなく、使うにつれて減っていくため、およそ半分の金額で効いてくること。
  • 長く持つほど高まる、劣化や陳腐化、品切れによる入れ替えのリスク。

診断士バイヤーの読み解き

まとめ買いが得か損かは、値引き率そのものよりも「その数量を何ヶ月で使い切れるか」で決まる。
使い切りが速ければ、損益分岐となる割引率は小さくなり、少しの値引きでも得になる。
逆に、動きの遅い品目は、大きな値引きでも損になりやすい。

値引きの大きさに目を奪われると、動きの遅い品目を大量に抱え込み、倉庫と資金を長く縛ってしまう。値引き率と在庫の回転の速さは、いつも一緒に並べて見る。
このツールの損益分岐となる割引率と、今の割引率を見比べれば、その品目がどちら側にいるかがその場で分かる。

交渉のコツは、相手の提示する値引き幅を、自社が使い切れる速さを考慮して評価すること。
使い切れないロットの値引きは、帳簿の外で在庫維持費として返ってくる。

損益分岐となる割引率を先に押さえておけば、どこまでの数量なら受けてよいかを、その場で数字で示せる。

この計算の前提と限界

この計算は、在庫が消費とともに直線的に減っていくとみなし、平均在庫をまとめ買い数量のちょうど半分として単純化している。実際の使い方が前半に偏る、後半に偏るといった波は反映しない。

また、劣化や陳腐化による値下がり、倉庫の空きスペースの制約、品切れしたときの入れ替えの手間といった費用は、この計算には含めていない。

在庫維持費率には、自社が実際に負っている維持費(倉庫代・保険・金利など)の年率を入れる。
割合で見積もりにくいときは、総額で入れる方に切り替えて、年間の金額そのものを入れてもよい。

ここで出た正味メリットは、こうした前提のうえでの目安なので、金額が分岐点の近くにあるときほど、含めていないリスクまで含めて総合的に判断する。

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