調達成熟度セルフ診断(10問・約3分)

会社の「買い方」がどこまで仕組みになっているかを、10問で自己点検できる診断です。中小企業の経営者・調達責任者の方を対象に、体制とルール、コストの見きわめ、取引先の管理、契約と法令、データと経営のつながり、という5つの領域から質問します。各質問で、いまの自社に一番近いものを選んでください。

各質問で、いまの自社に一番近いものを1つ選び、最後に「診断結果を見る」を押してください。

質問1 体制とルール

会社の物品やサービスは、だれが買っていますか。

質問2 体制とルール

発注までの手順(相見積もりや承認)は決まっていますか。

質問3 コストの見きわめ

買う価格が妥当かどうかを、どう確かめていますか。

質問4 コストの見きわめ

取引先から値上げを求められたとき、どう対応していますか。

質問5 取引先の管理

取引先を評価していますか。

質問6 取引先の管理

仕入れが止まるリスクに、どこまで備えていますか。

質問7 契約と法令

取引先との契約書や注文書は、どうなっていますか。

質問8 契約と法令

調達に関わる法令(下請法など)に、どう対応していますか。

質問9 データと経営のつながり

何にいくら使っているか、把握していますか。

質問10 データと経営のつながり

経営と調達は、どうつながっていますか。

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調達成熟度とは何か

調達成熟度とは、会社の「買い方」がどこまで仕組みとして整っているかを、段階で示す考え方です。同じ金額を買っていても、担当者の経験と勘に頼る会社と、ルール・評価・データで動く会社では、コストも、供給が止まる危険も、担当者が辞めたときの打撃も大きく違います。この診断では、体制とルール、コストの見きわめ、取引先の管理、契約と法令、データと経営のつながり、という5つの領域を10問で自己点検し、4つの段階のどこにいるかを判定します。

4つの段階

診断結果は、合計点に応じて次の4つの段階のどれかになります。レベル1 その都度型(10点から17点)、レベル2 ルールづくり型(18点から25点)、レベル3 管理定着型(26点から33点)、レベル4 戦略調達型(34点から40点)です。

レベル1 その都度型(10点から17点)

必要になった人がその都度買っており、買い方が人と場面に任されている段階です。悪気がなくても、高値づかみ、同じものの重複購入、特定の担当者にしか分からない取引が起きやすく、担当者の退職や取引先のトラブルがそのまま打撃になります。最初の一歩は、何にいくら使っているかの棚卸しと、「いくら以上は相見積もりを取る」という金額基準を1行決めることです。ここまでは費用をかけずに始められます。

レベル2 ルールづくり型(18点から25点)

相見積もりや承認のルールが部分的に動いているものの、人や部署によってやり方に差がある段階です。ルールが口伝えのままだと、忙しい時期や人の入れ替わりで元に戻ってしまいます。手順を文書にすること、主要な取引先を品質・納期・価格で定期的に評価することが次の一歩です。

レベル3 管理定着型(26点から33点)

手順が文書になり、取引先の評価も定期的に回っている段階です。管理としては十分に見えますが、価格を内訳まで踏み込んで査定する、供給が止まった場合の備えを用意する、購買データを分析して手を打つ、といった攻めの余地が残っていることが多い段階でもあります。ここに踏み込むと、調達はコストを管理する部門から、利益を生む部門に変わります。

レベル4 戦略調達型(34点から40点)

調達の状況が利益計画に組み込まれ、経営会議で定期的に報告・判断されている段階です。この段階の課題は、水準を保ち続けることと、それを担える人を育てることです。市況の変動や災害など、外から来る変化への対応力も問われます。

領域別の伸ばし方

この診断では5つの領域を見ています。体制とルール、コストの見きわめ、取引先の管理、契約と法令、データと経営のつながり、の5つです。診断結果に表示された「いちばん伸びしろがある領域」の節から読むと、次の一歩が具体的になります。

体制とルール

だれが・何を・どんな手順で買うかが決まっていないと、努力が個人の中に閉じてしまい、会社の力になりません。担当が変わるたびに買い方が振り出しに戻る会社は、この領域に伸びしろがあります。

最初の一歩: 「いくら以上の購入は、見積もりを2社以上から取る」という金額基準を1行決めて、全社に知らせることです。基準額は10万円以上など、自社の購買の実態に合わせて決めます。

コストの見きわめ

言い値や前回価格との比較だけでは、そもそもの水準が高いことに気づけません。値上げを求められたとき、理由と内訳の説明を求めて妥当な分だけ受ける対応ができるかどうかで、数年後のコストは大きく変わります。

最初の一歩: 直近1年で金額の大きい購入品を10点選び、相見積もりか総所有コスト(TCO)の計算で、いまの価格が妥当かを確かめることです。

取引先の管理

長い付き合いを大切にすることと、評価をしないことは別の話です。品質・納期・価格の定期的な評価は、良い取引先にきちんと報いるためにも使えます。また、どの部品・材料が1社頼みかを把握していないと、その1社のトラブルがそのまま自社の生産停止になります。

最初の一歩: 購入額の大きい取引先を10社書き出し、1社にしか頼めない品目に印を付けることです。印が付いた品目が、供給リスク対策の優先順位そのものです。

契約と法令

口頭やメールだけの取引は、トラブルが起きたときに言った言わないになり、立場の弱いほうが損をします。また、自社が発注側のとき、下請法(下請代金支払遅延等防止法)などの対象になる取引を知らずに違反しているケースは、中小企業でも珍しくありません。

最初の一歩: 書面を交わしていない取引先を数え、取引基本契約書のひな形を1本用意することです。あわせて、自社の取引が下請法の対象になるかを確認します。

データと経営のつながり

会社全体でいくら買っているかにすぐ答えられない状態では、コスト削減も供給リスク対策も、勘で優先順位を付けることになります。逆に、品目別・取引先別の支払額が見えるだけで、手を打つべき場所は驚くほどはっきりします。

最初の一歩: 経理のデータから、取引先別の年間支払額の一覧を作ることです。特別なシステムは要りません。表計算ソフトで十分です。

診断士バイヤーの読み解き

20年買う側の現場にいて感じるのは、合計点の高さよりも、どの領域が凹んでいるかのほうが会社の実像を表す、ということです。

中小企業でまず崩れているのは、たいてい価格ではなく契約と記録です。書面のない取引は、値上げの局面で交渉の足場を失います。

そして、レベル3から4への壁は、現場の努力ではなく経営の関与です。調達の数字が経営会議に載っていない会社は、現場がどれだけ優秀でも3で止まります。

凹んだ領域が複数ある場合は、全部を一度にやろうとせず、まず契約と記録、次にデータ、その次にコストの順で手を付けると、足場から積み上がります。

この診断の前提と限界

この診断は10問の簡易セルフチェックであり、中小企業診断士による正式な経営診断ではありません。業種や会社の規模によって各領域の重みは本来変わりますが、この診断では簡便さを優先して、すべての質問を同じ配点にしています。結果は、改善の出発点を見つけるための目安としてお使いください。

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